解剖生理学初心者の日々

身体のこと、筋肉のこと。原因と症状は違う

腕が筋肉痛なのに、腕ではなく肩に着目する理由

こんにちは。

 

前回の記事で、荷物を運んだ次の日に二の腕が筋肉痛になり、左肩をほぐした話をしました。

今回は、腕を肩の関係について少し触れていきたいと思います。

 

柔道整復師理学療法士などで筋肉の解剖学を勉強されている方は、基本的に個々の筋肉の付着部と機能を学んでいると思います。

例えば、肘の屈曲にはこの筋肉。手首の屈曲にはあの筋肉。この筋肉の機能は肩の挙上と外旋と〜などなど。

 

この勉強はとても役に立ちますが、落とし穴があります。筋肉は単一では動いていないということです。

 

お笑い芸人かまいたち山内さんの赤っ恥エピソード、呼吸が苦しくなり肩が上がった話の時の動きをご覧ください。

これは当時を再現している意図的&大袈裟な動作なので、実際起きた時の動きとは多少異なりますが、肩を上げた時、肘はどうなっていますか?手首はどうなっていますか?

 

曲がっているのがわかりますか?

 

程度の差はあれ、肩を上げている動作をしている時、肘が曲がっています。激しくすればするほど。

逆も然り、肘を曲げれば肩の位置が少し上がるでしょう。

 

動画では手に何も持っていませんが、もし荷物を持っていたら、肩は上がらなくても肩に負担がかかることが予想できますね。

 

これは運動連鎖、キネティックチェーン、Open Kinetic Chain、Closed Kinetic Chainなどと呼ばれるものです。

一つの関節の動きが他の関節と連動してつながっているのです。

 

呼吸が苦しくなって肩で呼吸するような形では、手には何も持っていませんので、オープンキネティックチェーン。

手に荷物を持って運ぶ時はクローズドキネティック。でも荷物の位置は固定ではないので、半クローズド、もしくは半オープンかな。

使う部位の先が固定されているかどうかで、筋肉の機能・働きが変わってきます。

 

キネティックチェーンについては今回は深く掘り下げませんが、手や足が地面やつり革に触れていることで、一部の筋肉の力の作用が変わるということだけ頭の片隅に置いておいてください。

 

今回のポイント

肘の屈曲は、肩も関係していますよ。

手首の屈曲、肘も肩も関係していますよ。

だから、二の腕、肘、肘下、手首、手や指の症状や問題、それはその部分だけでなく、もう少し広い範囲で肩までみるように意識するといいかもしれません。